前へ目次 次へ 260/284 気配が消えた夜 北海道に戻り、 簡単に夕食を済ませてからソファに沈む。 なんとなくスマホを開く。 居酒屋「灯(あかり)」で撮ったリールの数字が目に入る。 伸びていない。 「……まあ、そんなもんだよな」 SNSでバズりたいわけじゃない。 ただ、深夜にひっそり伸びていた“誰かの気配”が、 今日はどこにもない。 その静かな空白が、 胸の奥にひっそりと残った。 でも、今日の東京は確かに自分を前へ押した。 「また行くことになるんだろうな」 未来へ向かう光が、 静かに胸に灯った。