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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第72章

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見てないのに、見える笑顔

朝、目を開けた瞬間、胸の奥がきゅっと縮んだ。

昨夜の俊介の未来の話が、まだ身体のどこかに残っている。


「家のこと、そろそろ考えないとね」

「子どもができたらさ」


俊介は優しい声で言う。

その優しさが、今日は重かった。


私は返事ができない。

喉の奥がつまって、声が出ない。


スマホは見ない。

見たら、何かが壊れる気がする。

でも——


大和の笑顔が、ふっと脳裏に浮かぶ。


見ていないのに、見える。

あの少し照れた笑顔。

薬指に触れる癖。

声の温度。


それだけが、呼吸をつなぐ。


現実は苦しい。

俊介の未来の話は、私の未来ではない気がする。

でも、言えない。


コーヒーを淹れながら、

私は自分の手が少し震えていることに気づいた。


「私は……どこに向かってるんだろう」


その言葉が、初めて胸の奥で形になった。

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