前へ目次 次へ 25/204 それでも続く恋 俊介との交際は5年を超えた。 葵は社会人になり、 仕事に追われながらも、 俊介との関係は安定していた。 周囲からは「結婚するんだろうね」と言われた。 俊介も、そう思っていた。 葵も、そう思おうとした。 でも、心の奥で小さな声が囁く。 ――好きだった人は、別にいた。 ――今の本当の気持ちは、どうなの? その声を、葵は必死に押し殺した。 (もう会うこともないんだから。 忘れなきゃいけないんだから) そう言い聞かせながら、 葵は“普通の恋”を続けた。