表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第71章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/284

呼吸が浅くなる

朝、目を開けた瞬間、胸の奥がきゅっと縮んだ。

昨夜の俊介の声が、まだ耳の奥に残っている。


——子どもの話。

——未来の話。

——家族になりたいという言葉。


あの瞬間、身体が固まって、呼吸が止まった。

その感覚が、まだ抜けない。


「おはよう」

俊介はいつも通りの声で笑う。

その普通さが、今日はやけに怖かった。


私はぎこちなく返事をして、キッチンに立つ。

コーヒーの香りが広がるのに、胸の奥は重いまま。


スマホは見ない。

見たら、昨夜の続きみたいに、

何かがまた壊れてしまう気がした。


俊介は優しい。

優しすぎる。

その優しさが、今日は刃物みたいに刺さる。


「今日、早めに帰れそうだからさ。夜、一緒にご飯食べよう」

俊介は何も変わっていない顔で言う。


私は笑えなかった。

喉の奥がつまって、声が出ない。


昨夜の言葉が頭をよぎる。

その未来に、自分の姿が浮かばない。


胸が痛い。

呼吸が浅い。

でも、何も言えない。


ただ、朝が過ぎていく。

逃げ場のないまま。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ