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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第69章

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違和感

画面を閉じても、胸のざわつきは消えなかった。

布団の中で小さく丸くなりながら、葵は自分の左手を見つめる。

薬指のリングが、薄暗い部屋で鈍く光った。


(なんで……気になるんだろう)


大和の薬指。

触れた仕草。

そこに宿っていた、言葉にならない何か。


15年前、諦めたはずの気持ちが、

ほんの少しだけ、息を吹き返したような気がした。


でも、それを認めるわけにはいかない。

認めたら、何かが壊れてしまう気がした。


葵は目を閉じる。

胸の奥で、光と影が静かに揺れ続けていた。


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