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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第67章

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大和の気付き

昼の仕込みがひと段落した頃。

大和は手を洗い、ふとスマホを開いた。


通知欄に、見慣れない名前。


「及川葵さんがあなたをフォローしました」


指が止まる。

呼吸も止まる。


「……及川さん?!」


声に出した瞬間、

胸の奥がじんわり熱くなった。


たまたま。

偶然。

そう思おうとするのに、

心臓の鼓動だけが素直じゃない。


画面を閉じても、

落ち着かない。


包丁を握っても、

手元が少しだけぎこちない。


その変化に、

結衣はすぐ気づいた。


(……店長、なんかソワソワしてる)


でも、聞かない。

聞かないほうがいいと分かっているから。


大和は深呼吸をして、

いつものように仕事に戻った。


けれど、

胸の奥のざわめきだけは、

どうしても消えなかった。

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