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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第67章

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結衣の気付き

仕事の休憩中、結衣はなんとなくインスタを開いた。

スクロールした指が、ふと止まる。


——葵さんの投稿。


「……珍しい」


フォローしてから初めての投稿だ。

気になって写真をタップする。


虹。

淡い七色が、雨上がりの空に静かにかかっている。


その端に、

小さく“指輪”が写っていた。


(……やっぱり)


胸の奥が、そっとざわつく。


大和が昔ぽつりと話した

“忘れられない人”のこと。


その人が誰なのか、

結衣はずっと前から気づいていた。


——葵さん。


でも、詮索する気はない。

踏み込むつもりもない。


(幸せなら、それでいい)


ただ、

虹の写真を見つめながら、

胸の奥に小さな痛みと、

小さな祈りが同時に灯った。

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