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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第66章

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確かめたい

動画を見終えても、

スマホを閉じられなかった。


大和のアカウントを遡っていく。

過去の投稿を次々と開く。


気づけば、

“手元ばかり”見ていた。


包丁の持ち方。

盛り付けの癖。

湯気の立ち方。


そして左手。


(……この頃は、指輪してる)


(……この動画では、ない)


気づきたくなかったのに、

気づいてしまった。


“いつ外したのか”

“どういう気持ちで外したのか”


考えたくないのに、

胸が静かに揺れ続ける。


(……なんで、こんなに気になるんだろう)


自分でも分からない。

でも、目が離せなかった。


画面の向こうで揺れる湯気が、

まるで大和の心の温度を映しているようで。


葵はそっと息をのみ、

スマホを胸に引き寄せた。

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