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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第66章

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画面越しの灯

何度目かの再生で、

葵はふと息をついた。


大和の手元の動きは、

相変わらず丁寧で、優しい。


包丁の刃が野菜に触れる音。

湯気の向こうに揺れる光。

木の匂いまで伝わってきそうな映像。


(……落ち着く)


俊介の影が、

少しずつ薄れていく。


呼吸が楽になる。

肩の力が抜ける。


画面の向こうにあるのは、

北海道の居酒屋「(あかり)」の空気。


あの頃、

自分が少しだけ好きだった自分が、

ほんの一瞬だけ戻ってくる。


(こんな気持ち、久しぶり……)


大和の声が流れるたび、

胸の奥の冷たさが溶けていく。


葵は気づかない。

自分の表情が、

いつの間にか柔らかくなっていることに。


ただ、

画面越しの灯が、

静かに心を照らしていた。

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