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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第66章

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ほどける心

俊介が寝静まった夜。

葵は布団の中で、そっとスマホを胸の前に持ち上げた。


フォローしたばかりの大和のアカウントが、

画面のいちばん上に表示されている。


(……見てもいいよね)


ほんの少しだけ迷って、再生ボタンを押した。


湯気がふわりと立ちのぼる。

包丁の音が、静かに響く。

木のまな板に落ちるリズムが、心の奥に染み込んでいく。


「実は先日、東京の居酒屋「(あかり)」にも行ってきまして……」


その声が流れた瞬間、

胸の奥がじんわりと温かくなった。


昨日は涙がこぼれたのに、

今日はただ、静かに心がほどけていく。


動画が終わる。

でも指が勝手に戻る。


(もう一回だけ)


再生。

終わる。

また再生。


気づけば、

十回以上繰り返していた。


同じ動画なのに、

見るたびに違うところが目に入る。


大和の声が流れるたび、

葵の心の奥で、小さな灯がそっと揺れた。

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