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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第63章

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帰冷

東京の空気は、北海道より重い。

玄関の鍵を回した瞬間、

胸の奥がすっと冷えた。


「……おかえり」


俊介の声は、いつもより低い。

笑っているのに、温度がない。


北海道で深く吸い込んだ空気が、

一瞬で肺から抜けていく。


葵は靴を脱ぎながら、

自分の心が“現実”に戻っていくのを感じた。


結衣との時間。

雪の匂い。

居酒屋「(あかり)」の温かい光。

大和の気配だけが残る店内。


全部、遠ざかっていく。


「……ただいま」


声が少し震えた。


俊介の視線が、

葵の全身をゆっくりと舐めるように動いた。


その瞬間、

北海道で羽を伸ばしていた自分が

“許されないもの”に変わった気がした。

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