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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第60章

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202/278

悩む夜

葵はホテルの窓辺で、

雪の降る街をぼんやり眺めていた。


結衣からのDMは、

まだ返せていない。



「何年前くらいですか?

 そのときの店長って、どんなでした?」



(……言えない)


“店長”という言葉が胸の奥を強く揺らす。


返したいのに返せない。

返せないのに、気になって仕方ない。


そして——

明日には東京に戻る。


(……この時間が終わったら、

 もうDMなんてできないかもしれない)


社員旅行の“今だけ”が、

葵の胸を静かに締めつけていた。


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