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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第59章

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迷う夜③

結衣は、

葵からの既読がついたのを見て、

そっと息を吐いた。


(……返しづらいよね)


だから、

もう一歩だけ近づく。


押しつけにならないように。

でも、葵が言葉を出しやすいように。



「何年前くらいですか?

 そのときの店長って、どんなでした?」



核心には触れない。

でも、確実に近づく。


“店長”

その言葉に、

結衣自身の胸も少し痛んだ。

踏み込みすぎたかもしれない…


(……大和さんのこと、

 葵さんがどう覚えているのか知りたい)


送信したあと、

結衣はそっとスマホを伏せた。


雪の降る夜。

二人のDMは、

まだ触れない距離のまま、

静かに核心へ向かっていく。

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