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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第59章

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迷う夜①

結衣は休憩室でスマホを見つめていた。


葵からの長いメッセージ。

そこには、

“気になってしまって”

という言葉が確かにあった。


でも——

結衣からの返事のあと、返事が来ない。


(……やっぱり、迷ってるんだ)


踏み込みたい気持ちと、

踏み込んではいけない気持ち。


その狭間で揺れているのが、

画面越しでも分かる。


結衣はそっとスマホを握り直した。


(……少しだけ、聞いてみようかな)


押しつけにならないように。

でも、葵の気持ちを閉じ込めさせないように。


慎重に、慎重に文字を打つ。



「以前働いていたお店って、どこだったんですか?」



送信ボタンを押した瞬間、

胸が少しだけざわついた。


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