195/271
本当は
結衣からの返信は、
驚くほど早く届いた。
「来てくださって、本当に嬉しかったです。
高田さんも……きっと、そう思うと思います」
(……店長も?)
その言葉が胸の奥に静かに落ちていく。
“きっと”
その曖昧さが、
逆にいろんな想像を呼び起こす。
(元気なのかな)
(私が行ったこと……知ってるのかな)
考えれば考えるほど、
胸のざわつきは深くなる。
でも、
結衣の言葉は優しくて、
どこか救われるような温度があった。
葵はそっとスマホを胸に抱えた。
(……会いたいなんて、思っちゃダメだよね)
そう思うのに、
胸の奥の痛みは静かに広がっていく。
雪の降る北海道の夜。
葵の心は、
もう東京のどこかに向かい始めていた。




