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詰まる距離③
結衣からまた返信が届く。
「よかったです。
昨日はお店、少しバタバタしてて……
ゆっくりできましたか?」
(……バタバタ?)
その言葉に、
胸の奥がふっとざわついた。
昨日の店の前。
灯りの揺れ。
更新されないリール。
全部が一気に蘇る。
(……聞きたい)
でも、聞く理由なんてない。
ただの客なのに。
それでも、
指が勝手に動いていた。
「昨日……店長さん、
いらっしゃらなかったんですか?」
送信ボタンを押した瞬間、
心臓が跳ねた。
(……聞いちゃった)
でも、
胸の奥が少しだけ軽くなった気がした。
雪の降る夜。
ふたりのDMは、
静かに、確かに、
次の段階へ進んでいく。




