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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第54章

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詰まる距離③

結衣からまた返信が届く。



「よかったです。

昨日はお店、少しバタバタしてて……

ゆっくりできましたか?」



(……バタバタ?)


その言葉に、

胸の奥がふっとざわついた。


昨日の店の前。

灯りの揺れ。

更新されないリール。


全部が一気に蘇る。


(……聞きたい)


でも、聞く理由なんてない。

ただの客なのに。


それでも、

指が勝手に動いていた。



「昨日……店長さん、

いらっしゃらなかったんですか?」



送信ボタンを押した瞬間、

心臓が跳ねた。


(……聞いちゃった)


でも、

胸の奥が少しだけ軽くなった気がした。


雪の降る夜。

ふたりのDMは、

静かに、確かに、

次の段階へ進んでいく。

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