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結衣と葵③
葵の返信を見た瞬間、
結衣は思わず微笑んだ。
(丁寧な人……)
もっと話したい。
もっと知りたい。
昨日、店の前で見たあの表情の理由も。
でも、焦ったらダメだと分かっている。
押しすぎたら、きっと離れてしまう。
結衣はスマホを握りしめ、
慎重に、慎重に文字を打った。
「よかったです。
無理なさらないでくださいね。
またお話できたら嬉しいです」
送信したあと、
胸の奥がふわっと温かくなった。
(……繋がれた)
雪の降る夜。
ふたりのDMはまだぎこちないけれど、
確かに少しずつ距離を縮めていた。




