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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第53章

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結衣と葵③

葵の返信を見た瞬間、

結衣は思わず微笑んだ。


(丁寧な人……)


もっと話したい。

もっと知りたい。

昨日、店の前で見たあの表情の理由も。


でも、焦ったらダメだと分かっている。

押しすぎたら、きっと離れてしまう。


結衣はスマホを握りしめ、

慎重に、慎重に文字を打った。



「よかったです。

無理なさらないでくださいね。

またお話できたら嬉しいです」



送信したあと、

胸の奥がふわっと温かくなった。


(……繋がれた)


雪の降る夜。

ふたりのDMはまだぎこちないけれど、

確かに少しずつ距離を縮めていた。


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