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結衣と葵②
結衣からの返信は、驚くほど早かった。
画面が光った瞬間、
葵の胸がまたざわつく。
「本当に、来てくださって嬉しかったです。
雪降ってて大変じゃなかったですか?」
(……優しい)
でも、その優しさが逆に胸を締めつける。
昨日の店の前で立ち尽くした自分。
あの灯り。
大和の不在。
全部が胸の奥で混ざり合って、
言葉がうまく出てこない。
(……どう返せばいいんだろう)
「大変でした」と言うのも違う。
「楽しかったです」と言うのも嘘になる。
葵は何度も文章を打っては消し、
ようやく短い言葉を送った。
「大丈夫でした。
お気遣いありがとうございます」
送信したあと、
胸の奥がじんわり熱くなる。
(……なんでこんなに緊張するの)




