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静かな雪の音
検索欄に文字を打とうとして、指が止まる。
(……何を調べればいいんだろう)
フォローリクエストのアカウント名を
コピーして検索してみる。
ヒットしない。
(やっぱり知らない人……?間違いかな?)
でも、胸のざわつきは消えない。
ふと、昨日の宴会のことを思い出す。
同僚が撮っていた動画。
タグ。
店の名前。
(……あの店の名前、なんだっけ)
葵は検索欄にゆっくりと文字を打ち始めた。
「灯 北海道」
検索結果に、見覚えのある店構えの写真が並ぶ。
胸が跳ねた。
(……ここで会った人??)
でも、まだタップしない。
この先に何があるのか分からなくて。
葵はスマホを胸に抱え、深く息をついた。
雪の静けさが、心のざわつきを逆に際立たせる。
(……どうしよう)
(…でもインスタだし、別に承認してもいいのかな)
(店長と繋がれる……?)
(いや……ダメでしょ)
自問自答が続きすぎて、
臆病な自分が嫌になる……。
そのまま、しばらく動けなかった。




