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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第47章

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観光の空白

翌朝、社員旅行2日目。

雪の積もった街を、同僚たちと歩く。

ガイドの声、笑い声、シャッター音。

全部が耳に入ってくるのに、どこか遠い。


(……なんでだろう。昨日からずっと胸がざわついてる)


白い息を吐きながら、葵は観光地の展望台から街を見下ろした。

雪景色は綺麗なのに、心は落ち着かない。

昨日の居酒屋「(あかり)」の空気が、まだ胸の奥に残っている。


木の匂い。

灯りの色。

カウンターの丸み。

そして、結衣の顔。


(どうして……あんなに気になるんだろう)


同僚に「写真撮ろうよ」と呼ばれ、笑顔を作る。

でも、心だけが別の場所にいた。

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