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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第43章

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名前のない灯り

結衣は続けた。



「奥さんを大事に思ってるのは、

 亡くなった奥さんも、他のみんなも分かってます。

 でも……

 もう何年経ってるんですか?」



その声は優しいのに、

逃げ場がなかった。



「大和さんの人生……

 どうか、凍らせないでほしいです」



その言葉が、

胸の奥の深い場所に落ちていく。



(凍らせてるのか……

 俺は……)



葵の名前が、

言葉にならないまま胸の奥で揺れた。



結衣はそっと微笑んだ。



「その灯り……

 大事にしていいと思いますよ」



夜の居酒屋「(あかり)」に、

静かな温度が広がっていった。


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