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美咲の灯り、葵の灯り
「美咲のことは……
今でも大切だよ」
大和はゆっくり言った。
「美咲は俺の人生の“灯り”だった。
あの人がいたから、
俺は前に進めた」
結衣は静かに聞いている。
「でも……
あの人のことを思い出すと、
胸の奥が少しだけ温かくなるんだ」
その温度は、
美咲の灯りとは違う。
「美咲の灯りは“過去”で、
あの人の灯りは……
“今”なんだと思う」
言葉にした瞬間、
胸の奥がじんわり熱くなった。
「どうにかなるとかじゃない。
そんなつもりはない。
ただ……
あの人の幸せを願ってしまう」
それが、
大和の正直な気持ちだった。




