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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第43章

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揺れる灯り

「さっきの話……

 まだ続き、ありますよね?」



結衣の声は、

灯りのように柔らかかった。



大和は少しだけ息を吸った。



「……あるよ」



言葉にした瞬間、

胸の奥がきゅっと締まる。



「美咲が亡くなって、

 東京にいる意味がなくなった。

 全部が思い出に変わって……

 息ができなくなった」



結衣は黙って聞いている。



「だから北海道に戻った。

 実家の近くで、

 もう一度“灯り”をつけたかったんだ」



居酒屋「(あかり)」。

東京で美咲と出会うきっかけになった職場。

北海道に戻ってもこの店とは離れられない。



「でも……

 それでも時々、

 あの子の顔が浮かぶんだよ」



結衣の目が揺れた。



「……その子、

 大和さんにとって特別なんですね」



大和は否定できなかった。

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