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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第40章

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誰かへの気持ち

動画を撮り終えたあと、

大和はしばらく画面を見つめていた。



(こんなの、誰が見るんだよ)



そう思いながらも、

投稿ボタンを押してしまう。



「大和さん、何してるんですか?」



結衣がカウンターから顔を出した。



「ああ、ちょっと……近況報告?」



「へぇ、珍しいですね。

 誰に向けて?」



その言葉に、大和は一瞬固まった。



「いや、別に……誰ってわけじゃないよ」



結衣は微笑む。

その笑顔は、どこか見透かしているようだった。



「そうですか。

 でも……なんか、優しい声でしたよ」



大和は返事ができなかった。



(優しい声……誰に向けて?)



自分でも分からない。

でも、胸の奥に浮かぶ名前はひとつだけだった。


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