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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第38章

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癒しの灯り

動画を閉じたあと、

葵はスマホを胸に抱えた。



(店長……大和さん)



名前を思い浮かべるだけで、

胸の奥がじんわり温かくなる。



でもその温度が、

すぐに罪悪感へと変わる。



(俊介に……悪い)



俊介の不安そうな目が浮かぶ。

あの優しい声。

あの“確認するような”距離の近さ。



(私がちゃんとしてれば……)



そう思うほど、

胸の奥が沈んでいく。



玄関の鍵が回る音がした。



葵は慌ててスマホを裏返し、

クッションの下に滑り込ませた。



俊介が部屋に入ってくる。



「葵、今何してたの?」



その声は優しいのに、

どこか探るようで、

どこか怯えていた。



葵は笑ってごまかした。

でも胸の奥では、

大和の声だけが静かに響いていた。



触れてはいけない灯りに、また手を伸ばしてしまった。

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