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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第38章

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無意識に動く指

インスタを開いた瞬間、

大和の投稿が目に飛び込んできた。



居酒屋「(あかり)」のカウンター。

湯気の立つ料理。

優しい照明。

そして——

大和の落ち着いた声。



「今日も一日、お疲れさまです」



その一言で、

葵の胸の奥がふっと緩んだ。



気づいたら、

親指が画面をタップしていた。



「いいね」



(……っ!)



心臓が跳ねる。

すぐに取り消す。

指が震えていた。



(足跡が残ったら……俊介に気づかれる)



怖さで手が冷たくなる。

でも、胸の奥はほんの少しだけ温かかった。



(……見ちゃいけないのに)



涙がにじむ。

救われたのに、また沈んでいく。

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