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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第5章

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さよならの理由①

居酒屋「あかり」の暖簾が、春の風に揺れていた。

大学の新学期が始まり、葵は授業とバイトの両立に追われていた。


しかし、その日は違った。

胸の奥に、ずっと言えずにいた言葉が重く沈んでいた。


「店長、今日……少しお話ししたいことがあって」


片付けが終わった深夜。

葵は勇気を振り絞って声をかけた。


大和は、いつもの穏やかな笑顔でうなずく。


「どうした?」


事務所の扉が閉まると、店内の喧騒が嘘のように静かになった。


葵は深呼吸をして、言った。


「……バイト、辞めようと思っています」


大和の表情が、わずかに揺れた。

驚きと、寂しさと、理解しようとする優しさが混ざったような顔。


「そうか。急だな。理由、聞いてもいい?」


葵は視線を落とした。

本当の理由は言えない。


――好きになってしまったから。

――このままここにいたら、越えてはいけない線を越えてしまうから。


でも、それを言うわけにはいかなかった。

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