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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第34章

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意識のしすぎ

居酒屋「(あかり)」。

夜の仕込みがひと段落し、

大和とスタッフ数名でいつものように

リールを撮っていた。



「今日はおすすめの日本酒を紹介します」



笑顔を作る。

声のトーンも、いつも通りのはず。



でも——

画面の向こうに、ふと“及川さん”の姿を想像してしまう。



(……見てるわけないのに)



そう思っても、

昼間の“いいね”の通知が頭から離れなかった。



スマホのレンズを見つめるたび、

胸の奥がざわつく。



「……あれ、もう一回」



撮り直す。

でも、笑顔が固い。

言葉が少し詰まる。



(なんでこんなに意識してんだよ)



自分に呆れながらも、

手の震えは止まらなかった。

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