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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第33章

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急激に蘇る

午後の仕事に戻っても、

大和の頭の片隅には“及川”の名前が残り続けた。



(違うよな……でも)



あの頃の声がふと蘇る。

笑うときの癖。

困ったときの眉の下がり方。

弱さを見せるのがとても苦手な子。



全部、忘れたはずだった。



(なんで今になって……)



胸の奥がじんわり痛む。

懐かしさとも違う。

後悔とも違う。

ただ、静かに疼くような感覚。



同僚に「大和、今日ぼーっとしてない?」と笑われ、

慌てて仕事に意識を戻す。



でも、心は戻らなかった。



“いいね”は一瞬だった。

すぐに消えた。

それでも、確かにそこにあった。



その一瞬が、

大和の心に小さな波紋を落としていた。

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