112/271
秘密
夕方。
俊介がシャワーに入った音が聞こえた瞬間、
葵の心臓が跳ねた。
(今なら……)
スマホをそっと手に取る。
画面の明かりが、暗い部屋に小さく灯る。
インスタを開く指が震えた。
(見ちゃだめだよ……)
分かっている。
見たら、また心が揺れる。
俊介に申し訳なくなる。
でも、
“見たい”という気持ちが、
そのすべてを上回ってしまった。
検索欄に「大和」と打ちかけて、
一度指が止まる。
(……ほんとに、私って)
自分に呆れながらも、
指は勝手に動いていた。




