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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第31章

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自分の声が聞こえなくなる

買い物の帰り道、ふと立ち止まった。

風が冷たくて、

頬に触れるたびに現実へ引き戻される。


(なんで……こんなに苦しいんだろう)


俊介のことが嫌いなわけじゃない。

怖いわけでもない。

むしろ、優しさに守られているはずなのに。


でも最近、俊介の「心配だから」という言葉が、

まるで自分の自由を少しずつ奪っていくように感じてしまう。


(私が全部悪いんだよね)



こうなったのも全て自分が原因だと思えてしまう。


(私がしっかりしていれば……俊介は不安にならなかった)


そう思うほど、

自分の声がどんどん小さくなっていく。

気づけば、心の奥の“本当の気持ち”が聞こえなくなっていた。


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