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優しさの奥にある圧
最近の俊介は、言葉こそ優しいのに、
その奥に“何か”が潜んでいる気がした。
「今日はどこ行ってた?」
声は穏やか。
でも、視線が少しだけ鋭い。
「スーパーと……あと、少し散歩しただけだよ」
そう答えると、俊介は安心したように笑った。
その笑顔が、なぜか胸を締めつける。
(どうしてだろう。怖いわけじゃないのに)
俊介は変わらず優しい。
気遣ってくれる。
守ろうとしてくれる。
なのに、その“優しさの形”が、
葵の胸に薄い恐怖を落としていく。
(私が……追い込んじゃったのかな)
そう思うと、何も言えなくなった。




