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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第4章

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影が消えた夜①

ストーカーの男が姿を見せなくなって数日。

葵は少し安心していたが、

心の奥の不安は消えなかった。


その夜も、大和は閉店後に葵を駅まで送っていた。

街灯の下を歩くたび、葵は無意識に後ろを振り返る。


「大丈夫。今日は俺がいる」


大和はそう言って、歩幅を合わせた。


駅が近づいたとき――


「……あれ」


大和が小さくつぶやき、

葵の前に立つように位置を変えた。


視線の先には、あの男。

街灯の下で、じっとこちらを見ている。


葵の足が止まる。

全身が冷たくなる。


男はゆっくりと歩き出し、2人に近づいてくる。


「……帰り、つけてきたのか」


大和の声が低くなる。


男は無表情のまま、葵だけを見つめていた。


「及川さん、後ろに下がって」


大和が腕を広げ、葵をかばうように前に立つ。


「何の用だ。彼女に近づくな」

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