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華さんが一人語り
五十鈴華は
一人語りを始めた
「私、華は当時進路で悩んでおりました」
静かに話しだした五十鈴華
「五十鈴流の後継者としてのプレッシャーと別な生き方があるのか、と悩んでおりました」
裕福かな家柄に生まれ
何も心配など無いように見えるお嬢様にも
目に見えない所での葛藤があるのだ
一人娘の家元の後継者
他人には
分からない悩みがあるのだろう
「そんな心理状態では、学力もスポーツも迷走してたのも事実でした」
思い出したく無い過去の記憶を
無理矢理掘り起こしているのか
端正で沈着冷静な華の顔に
微かに陰が被る




