表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
癒しのエルフ  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/127

scene8 章の締め ― 武器になった癒し

癒しは、人を救う力だった。


泣く者に触れ、

立てない者に手を差し伸べ、

声にならない苦しみを、関係として結び直す力だった。


だが今、それは――

選ばれた者にだけ与えられ、

選ばれなかった者を、静かに黙らせる力に変わっていた。


誰も殴っていない。

誰も罰していない。

命令も、断罪もない。


帳簿は整い、

配給は続き、

言葉は礼儀正しかった。


それでも確かに、

アマリは外された。


列の後ろへ。

役割の外へ。

判断の対象から。


彼女は失敗していない。

罪も、逸脱もない。


ただ――

癒されなかった。


それだけで、

社会から薄く、削がれていった。


癒しは、この日、

希望でも、祈りでもなくなった。


誰を守り、

誰を切り捨てるかを示す、

沈黙した刃になった。


そしてその刃は、

血を流さずに、

確実に人を分けていた。


癒しは、この日、

武器になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ