表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
癒しのエルフ  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/127

scene8 風が残る

ティエナは、広場を去る。


別れの言葉はない。

手を振ることも、振り返ることもない。


人の流れに逆らわず、

そのまま通りへ溶けていく。


誰かが見送ったわけではなかった。

気づいたときには、もういない。


広場は、すぐに元の顔に戻る。


井戸の水は汲まれ、

修理屋は作業を再開し、

屋台の声も続く。


だが、変わったものがある。


人々の歩く速度が、

ほんの少しだけ落ちた。


急がなければならない理由は、

相変わらず存在している。


それでも、

一歩と一歩の間に、

余白ができていた。


ハルドは作業台の前で立ち止まり、

空を見上げる。


今日は、早仕舞いでもいい。

そんな考えが、

不意に頭をよぎった。


理由はない。

だが、歩ける。


レナは井戸端に腰を下ろし、

洗濯籠を脇に置いた。


水を汲む前に、

少しだけ休む。


誰に許可を取るでもなく。


広場は、

相変わらず“途中”の場所だ。


だが、その途中に、

立ち止まれる間が生まれた。


癒しは、奇跡ではなかった。

それでも、

なければ歩けなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ