表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
癒しのエルフ  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/127

scene7 逃がされる癒し

ティエナは、

歩いた。


急がない。

だが、

立ち止まらない。


示された裏道は、

狭く、

影が濃い。


砂の匂いが、

少しだけ薄れる。


誰も、

追ってこない。


それが、

答えだった。


彼女は、

振り返らない。


詰所も、

採掘場も、

見ない。


抵抗する理由は、

ない。


拒まれた癒しは、

そこで終わる。


門の前で、

一度だけ、

立ち止まる。


手を、

小さく上げる。


精霊に、

語りかけるでもなく、

命じるでもなく。


ただ、

通路を作る。


風が、

一度、

外へ流れる。


砂を動かすほどではない。

誰かが気づくほどでもない。


痕跡は、

残らない。


癒しは、

ここに根付かない。


ティエナは、

そのまま、

門を出る。


閉じる音は、

立てられない。


静かに、

彼女は消える。


残ったのは、

変わらない現場と、

拒否したという事実だけだ。


癒しは、

排除された。


だが、

拒まれたという記憶は、

この場所に、

確かに残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ