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癒しのエルフ  作者: 南蛇井


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scene5 ティエナとの対比(直接接触なし)

グナの声は、

広場を越えて、

路地の入り口まで届いていた。


断定の言葉は、

壁に反射し、

形を保ったまま流れてくる。


「精霊は言った――」


その声が聞こえる距離に、

ティエナはいた。


路地は狭く、

日差しは切れている。


洗濯物の影。

荷箱の隙間。


誰かが、

壁にもたれて立ち止まる場所。


ティエナは、

そこに立っている。


何も語らない。

説明もしない。


人が近づけば、

空気を見る。


精霊の流れが、

人の疲れに引きずられて

滞っている箇所。


そこに、

そっと手を差し出す。


風が、

通る。


誰かが、

深く息を吸う。


それだけだ。


理由は語られない。

意味づけも与えられない。


癒しは、

出来事のまま、

そこに留まる。


一方、

広場では声が続いている。


秩序。

正しさ。

選ぶべき道。


言葉は、

人々を包み、

方向を与える。


路地には、

方向がない。


あるのは、

一瞬の軽さと、

沈黙だけだ。


断定の声が響く広場。


沈黙の風が通る路地。


二つは、

同時に存在していた。


人々は、

どちらにも救いを見出す。


だが、

その性質は、

まったく違っていた。

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