表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
癒しのエルフ  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/127

scene4 人々の安堵

ラグナの言葉が、

一段落すると、

広場に静けさが落ちた。


誰も、すぐには拍手をしない。


代わりに、

いくつもの頷きが、

ゆっくりと連なっていく。


理解した、という合図だった。


前に立っていた男が、

目元を押さえる。


泣いているのではない。

涙が、勝手に滲んだだけだ。


「……そうだったのか」


誰かが、

小さく呟く。


その一言が、

空気を決定づける。


疲れは、

理由のない重さではなかった。


怠惰。

秩序の乱れ。

正しさからの逸脱。


原因が与えられると、

苦しみは整理される。


安堵のため息が、

あちこちで漏れる。


癒されたわけではない。

足取りが軽くなった者も、

肩の痛みが消えた者もいない。


それでも、

人々の顔は、

少し楽になっている。


納得できたからだ。


自分の疲れが、

理解できる物語の中に

収まった。


それは、

一時的な救いだった。


だが、

この街では、

十分な救いでもあった。


理由のない現象よりも、

理由のある苦しみの方が、

人は耐えやすい。


広場には、

見えない癒しが広がっていた。


それは、

身体ではなく、

意味が軽くなる感覚だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ