表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
癒しのエルフ  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/127

scene7 市井に留まる選択

それ以降、

ティエナは、王宮区へ行かなかった。


神殿区にも、足を向けない。


大理石の通路、

整理された広場、

監視の目が届く場所。


そこに、彼女の姿はない。


彼女が立つのは、

市井の広場や、

商いの隙間にある路地だった。


井戸のそば。

荷下ろし場の脇。

洗濯縄の影。


誰かが立ち止まる余地があり、

誰の所有でもない場所。


そこで、

彼女は何かを“する”わけではない。


ただ、空気を見ている。


精霊の流れが、

人の歩調に引きずられて

滞っている場所。


風が、

通れなくなっている場所。


そこに立ち、

手を差し出す。


「少し、通しましょう」


許可は取らない。

だが、奪いもしない。


癒しは、

求められた分だけ、

静かに起こる。


王宮区では、

立ち止まる理由が用意されていない。


神殿区では、

立ち止まる意味が決められている。


だから、彼女は行かない。


市井には、

まだ、理由も意味も

決まっていない場所が残っている。


許可のいらない場所。


それは、

最も管理しづらく、

最も人が人でいられる場所だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ