3 意識したら…
「もう一回、やってほしいです」
「いいよ」
俺はまた瑞穂にフォークを向けた。
「あーん…」
瑞穂はゆっくりと近づいてパンケーキを口にした。
「住菱くんの顔を見ていたらドキドキしました」
「じろじろ見るなって」
俺は目を逸らした。
「そう言って、住菱くんは私の顔を見ながら食べてましたよね?私、一回目はパンケーキに気を取られていたから普通だったけど…」
瑞穂は俺のほうをまっすぐ見つめた。
「住菱くんのことを意識したら緊張しました…」
そう言って顔を赤くした。
「そ、そうか」
俺も照れくさくなって顔を背けた。
「住菱くんは私のことをちゃんと見てくれているのですね」
「やめてよ…外でそんな話されたら恥ずかしいじゃん」
気持ちを紛らわすためにもう一度パンケーキを口にした。
「楽しかったし美味しかったです」
店を出て少し外を歩いた。
「うさぎにちょっと懐かれたし」
「仲良くなれて良かったですね」
瑞穂は笑顔で答えた。
「ねぇ、このあとどうする?」
「外は暑いですし、室内に行きたいです」
「やっぱ駅行くか」
俺達は駅ビルに向かって歩いた。
瑞穂が行きたいと言ったので雑貨屋を見に来た。
「あ、うさぎです!」
うさぎのオブジェやうさぎモチーフの小物が並んだコーナーを指差した。
「うさぎ本当に好きだな」
「さっき見たから敏感になってるのかもしれません」
瑞穂は笑って商品を眺めた。
「このイヤリング似合いそう」
うさぎの形をしていてツインテールの瑞穂によりうさぎらしさが増しそうだ。
「確かに可愛いです」
「買ったら付けてくれる?」
「え…それはもちろんですけど」
俺はイヤリングを手に取った。
「その髪型とよく合うと思うよ」
瑞穂は顔を赤くした。




