2 平気な顔する彼女
「すごく懐かれているじゃないですか…!」
瑞穂は目を輝かせた。
「けっこう嬉しいかも」
俺も自然と笑みがこぼれた。
「住菱くん可愛いです!」
「可愛いって…」
俺は目を逸らした。
「この姿が見たかったのです」
瑞穂は俺を見て笑っている。
「わ、笑うなって…」
しかし、瑞穂は笑顔で俺を見守るばかり。
(笑ってくれるならいいや)
諦めてうさぎを撫で続けた。
昼食時になったので、パンケーキを食べることにした。
「はい、あ~ん」
お互いに一口食べた後、瑞穂がフォークを差し出した。
「あー…」
少し身を乗り出してパンケーキを口にした。
「美味しいよ」
瑞穂は満足気に笑った。
(ったく、恥ずかし気もなくこんなことして)
俺も自分のパンケーキを取り、
「はい、瑞穂」
「…言ってください、あれ」
その言葉に少しムッとした。
「あーん」
瑞穂は微笑み、俺のフォークを口にした。
「住菱くんのも美味しいですね」
瑞穂は笑顔を見せた。
「…恥ずかしくないのかよ」
「?」
瑞穂は首を傾げた。
「住菱くんにやってもらえて嬉しいです」
逆に俺が照れてしまった。
(どうせ硝樺にやってもらってたんだろ。だからこんな平気な顔してるんだ)
やけくそになって食べ進めた。
「怒っていますか?」
瑞穂が不安気な顔をした。
「瑞穂が恥ずかしがらないのが悔しい」
「それ以上に嬉しいからですよ」
瑞穂は笑った。
「住菱くん、恥ずかしいからってやってくれないと思ってたので」
「恥ずかしいけど…瑞穂が平気な顔してるから俺からやらないと気持ちがわからないと思って」
瑞穂は可笑しそうに笑った。




