1 うさぎカフェ
「え…瑞穂?」
うさぎカフェの前で待っていたら見覚えのある茶髪の高身長女子が近づいてきた。
「可愛い…」
ふわふわに巻かれたツインテールを揺らす瑞穂。それはうさぎの耳のようで今日にぴったりだ。
「そう言ってもらえて良かったです」
瑞穂は顔を赤くして照れた。
「やっぱ瑞穂は好かれるな」
中に入れば何匹ものうさぎが瑞穂に寄って行った。
「みんな可愛いです〜」
完全に瑞穂も癒されていた。瑞穂の近くにいるはずなのに俺のことは見向きもされない。
(俺ってうさぎには見えない人間なのか?)
「?」
その時、太ももに何か当たった。
「なんかお前、瑞穂のうさぎに似ているな」
真っ白なうさぎが俺の膝の上に乗ってきた。
「ナッティくんにちょっと似てますね」
瑞穂も手を伸ばした。
「あ」
すると、瑞穂のほうに行ってしまった。
「俺はうさぎに好かれないみたい」
「なぜでしょうね」
瑞穂は苦笑いした。
「まあ、俺は瑞穂に好かれてるからいいや」
そっぽ向いた。
「優しく頭撫でてみたらどうですか?」
「んー…」
近くにいたうさぎに手を伸ばしてみた。
「優しく静かにですよ」
「わかった」
指先が毛に触れた。そのままゆっくり動かしてみる。
「さわれた…!」
「その調子です」
瑞穂も笑顔で応援してくれた。
うさぎは落ち着いていてこのままなら懐いてくれそうだ。
「住菱くん」
ちょんちょんと肩を叩かれた。
「ん?うわ」
振り返ろうとしたら数匹のうさぎが俺の周りにいた。
「しー」
瑞穂が人差し指を口元に当てて俺に注意した。
「ごめん…」
静かに優しくを意識して撫でていたらだんだん懐かれてきた。




