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8 もう一度話してみて

「おはようございます、三井さん」

 翌日、学校に来るなり俺に挨拶してくる安田。

「おはようございます」

「今日も早帰りですね」

笑顔で言う安田。眩しい。その笑顔を見ると心臓がきゅっとなる。

「はい…そうですね」

呆ける俺に安田は可笑しそうに笑った。

「緊張しすぎですよ」

(いや、昨日緊張してたのはあなたでしょうが!!)

心の中でツッコんだ。

「今日もカフェ行きませんか?またお話したいです」

俺の顔を覗き込む安田。

「いいですよ」

俺は頷いた。


 放課後。今日は安田が俺の真横で歩いている。

(距離の詰め方おかしくね?)

昨日の今日でこんなにも距離感は変わるものなのだろうか?

「どうぞ」

「ありがとうございます」

今日も先に店に入らせた。

「今日、混んでますね」

確かに。昨日に比べたら人が多い。

(しかも制服が同じだな…)

妙に嫌気が差した。

「あの席しか空いていませんね」

両隣に男子グループが座っている席。女子を連れているので座りたくないけれど、空いてないのなら仕方ない。

 俺達は席についた。

「考えてくださいましたか?」

安田は緊張した面持ちで話した。

「…できるだけ早く答えられるようにしたいと思っています。でも、まだ答えられません」

「そうですか…」

安田は悲しげな顔をした。

「あの、どうしてそんなに僕のことを…」

周りの目が気になるので濁しつつ聞いてみた。

安田は俺の目を見つめた。

「あなたは謙虚で優しい方です。私もそうでありたいと考えています。同じことを望むのなら長続きできると思いませんか?」

すると、周りがざわついた。

「長続き?」

「付き合うのか?」

俺達の話が盗み聞きされている。

「ちょっと」

俺は安田の手を引いて外に出た。


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