8 彼女は料理ができる
「弥生は瑞穂を心配していたんだと思う。俺も瑞穂の嫌なことはしないから。瑞穂のペースでいいんだ。まだ高一だしな」
俺はにっと笑った。
「住菱くんは優しいですね…」
「俺が強引なことすると思うか?瑞穂が泊まりに来た時に何もしなかったじゃないか」
「そうですね」
瑞穂は立ち上がった。
「私、ご飯作ってきます」
「え?うん」
俺は首を傾げた。
「瑞穂が作ることあるんだ」
「私の家では、夏休みになるとほとんどの従業員に休暇を与えています。なので、私が家事をすることもありますよ」
「すげー…」
俺の家なんて、俺と飛鳥がいるせいで仕事を増やしてしまっているのに…。
「今日は両親がいないので特に頑張らないと」
「え!今なんて…!」
手を伸ばしたが瑞穂は部屋を出て行ってしまった。
(両親がいないって言ったよな…)
話していた内容もあってよからぬことを考えてしまう。
(でも、両親も従業員もいないで瑞穂は…)
俺は立ち上がり、部屋を飛び出した。
「瑞穂!」
走って瑞穂を追いかけた。
「住菱くんは部屋に居ていいですよ?」
「いや。手伝うよ」
しかし、瑞穂は首を振った。
「住菱くんはダイニングに居てください。二人分なので私一人でも大丈夫ですよ」
俺は眉をひそめたが瑞穂は微笑んだ。そのまま俺はダイニングルームに通され、一人待つことになった。
「お待たせしました~」
しばらくして瑞穂がやって来た。
「オムライスです」
「すごい…」
漂う香りや美しい見た目はとても食欲がそそられた。
「瑞穂はすごいよ…」
「これくらいお安い御用ですよ」
瑞穂は微笑んだ。




