3 うさぎに振り回される人間
「うさぎ、いいね」
『可愛いですよ〜癒しですよ〜』
幸せそうな声に腹が立った。
「俺は癒しのペットすらいませんよ」
『でも飛鳥さんがいるじゃないですか』
「あれは癒しなんかじゃない」
そこだけはしっかりと突っ込んでおく。
「ちなみに、性別は?」
『男の子です』
「…」
瑞穂の部屋にいる癒しの男…うさぎとはいえ許せない…なんて言ったら情けないか?でもやっぱり、
「男と部屋にいるとか浮気だから」
『でも、うさぎさんですよ?』
「うさぎでもほかの男といるとか、なんかやだ」
『じゃあそろそろ寝かせるために外に出しますよ』
「うん…」
だんだん自分が情けなくなってきた。
『ナッティくん、お外に出ますよ〜』
少し離れたところから声が聞こえた。
(こんなに優しい声、聞いたことない)
なんだかもやもやしてきた。
『私、外に出るので切ってもいいですか?』
「もっと話したかったけどな」
『いつでも掛けていただいていいのですよ』
その言葉にムッとした。
「でも、最初出てくれなかっただろ」
『あっ。で、でもいつでも待ってますから…!』
慌てるように言われるのも気に入らない。
「ばいばい」
不貞腐れながら電話を切った。
(うさぎ相手に何で嫉妬しているんだよ…)
俺は額に手を当てた。
(本当は瑞穂に甘やかされたいんだ!俺のこともうさぎくらい甘やしてほしい…!)
しかし、そこではっとした。
(バカバカ!うさぎでもない人間の俺が彼女とはいえ甘やかしてくれる訳ないだろ!!)
自分が何を考えているのかわからなくなってきた。




