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11 願いは叶わぬものだ

(瑞穂と二人きりになれる場所が欲しい!!)

 また風呂に入りながら考えた。

(10分だけでいいんだ…手を出すことはしないからただ二人だけで居れる場所を…!)

またカラオケに行こうか悩んだけれど、大好きと伝えるには何か違う気がした。

(たった四文字を言いたいだけでなんでこんなに悩むのだろう…)

ズブズブと風呂に沈んだ。


「大好きだ。瑞穂」

それは目の前にいる瑞穂のために言いたかった言葉。

「三井さん…」

顔を赤くする彼女。その姿は本当に愛らしくて…


「…」

 目を開ければ自分の部屋だった。

(どうせ夢だと思ってたよ)

起き上がってため息をついた。

(夢で言えたから現実でも言えたことになればいいのに…)

くだらないことを願ってしまった。


 今日はなんとなく外に出た。特に行きたい場所もなくふらふらと歩くだけ。

(休日は瑞穂に会えないからつまらないよな)

とりあえず近くの公園に来た。

(やっぱ暑いな)

ちょっと歩いただけで汗ばんできた。

(…逃げよう)

涼むために近くの蜘蛛がいるビルへ駆け込んだ。

「最初からここに来れば良かった」

蒸し暑い外の空気から解放された喜び。用事はないけれど、一人でうろうろ回った。

 たまにカップルとすれ違うこともあった。

(手を繋いだり腕を組んだり…距離が近いな)

隣で歩いているはずなのに一度もやったこと無い気がする。

(…あ)

鞄だ。鞄で手が塞がれているのだ。

(めちゃくちゃ悔しい!!)

学校指定の鞄に無性に腹が立った。

(俺も街中で瑞穂と手を繋いで歩いてみたい…)

ただただ羨ましかった。まあ、恥ずかしくてできる気はしないのだが…。

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