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9 慣れた

「今日の瑞穂ちゃん、調子悪い?」

 昼休みに弥生は聞いた。

「元気ですよ」

「体調じゃなくて…距離があるように見えるけど?」

弥生は俺と瑞穂を見比べた。

「喧嘩したようには見えないんだけど、瑞穂ちゃんがやけに慌ててるみたいで」

瑞穂は目を泳がせた。

「気分を悪くさせていたら申し訳ございません。緊張してしまって…」

瑞穂は俯いた。

「緊張するようなことあったっけ?」

弥生は首を傾げた。

「家に帰ったら何かあるとか?」

俺も聞いてみた。

「そういう訳ではないのですけど…」

瑞穂は俺を見た。しかし、すぐ顔を背けられた。

「なるほど…」

弥生は顎に手を当てた。

「三井さん、耳貸して!」

弥生は立ち上がった。

「昨日、キスとかした?」

「は!?」

俺は目を見開いた。

「し、してない!!」

「そうなの?」

弥生は首を傾げた。

「何のことですか?」

「いや〜そんなに照れてるからキスでもしたんじゃないかと思って」

「してないですよ」

瑞穂はさらっと答えた。

「意外と速攻で答えるね…」

弥生は苦笑いした。

「キスは慣れてしまったというか」

「え?」

「え?」

俺と弥生は固まった。

「硝樺さんによくされていたのでもう慣れてしまいました」

瑞穂は苦笑いした。

「瑞穂ちゃん!」

弥生は思い切り瑞穂の肩を掴んだ。

「たとえ本当でも慣れたなんて言わないで!!」

瑞穂の肩を何度も揺らした。

(慣れたか…)

自分の心に暗い影が差し掛かる。

(めちゃくちゃ百合してたもんな…とはいえ悲しくなってくる)

「あー!!三井さんの顔が死んでるー!」

弥生は俺を指差して声を上げた。

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