8 大好きって言いたい
(大好きですかぁー…)
風呂に入りながら思い返した。
(正直、めちゃくちゃ嬉しい)
思わず笑みがこぼれた。
(俺も大好きって言いたかった)
寝る前になって思った。
(でも、外で言うのは…瑞穂が言うのは可愛いけど、俺が言ったら空気凍るだろ)
考えただけで寒気がしてきた。どこか二人きりの場所で言いたい。
(って、何を考えているんだ俺は!!)
これ以上考えるのはやめて早く寝よう。俺は瞼にぐっと力を入れて目を瞑った。
「お、おはようございます…」
今日の瑞穂はやけによそよそしい。
「おはよう。どうかしたか?」
俺は瑞穂の顔を覗き込んだ。
「っ!!なんでもないです!」
瑞穂は顔を赤くして俺に背を向けた。
「?」
俺は頭をかいた。
(顔を見られるのが嫌なのか?別にいつもと変わらない美少女だったけどな…)
理由がわからなくて困る。
「瑞穂ちゃん顔赤いよ?」
弥生が瑞穂の頬に触れた。
「そんなつもりじゃ…!」
「えぇ?どうしたの~?」
弥生はにやにやと笑った。
「三井さん何かしたの?」
「何もしていない…と思いたいのだが」
何かしたからこうなっているのだろう。
「ごめんなさい…少し取り乱してしまいました」
やっと瑞穂は俺の方を向いた。
「言っておくけど、今日も瑞穂は可愛いよ」
「どうして急に…」
瑞穂は顔を赤くして混乱した。
「違った?」
「…違うけど、ありがとうございます」
瑞穂は目を逸らした。
「朝から尊い…!」
弥生は眩しそうに俺たちを見た。




