6 辛い友人と甘い彼女
「そう言ってもらえて嬉しいです」
瑞穂は俺の頬を両手で押さえた。
でも、すぐ離れてしまった。
「今のはどういう意味…?」
俺は瑞穂の顔を覗き込んだ。
「三井さんも可愛いなって思っただけです」
瑞穂は照れながら答えた。
「ふーん…」
(キスされるかと思った)
そんなこと、口に出さないが。
「待ってましたわ」
次の日の放課後、どうやって俺を見つけたのか知らないが、硝樺の姿があった。
「あなたロリコンですの?」
「!?」
俺は目を見開いた。
「なんでそんなことを突然言ってくる」
「瑞穂さんから聞きましたわ。あなた、二次元とはいえ子供が好きなのですね」
俺はため息をついた。
「そういえば、瑞穂は俺と硝樺が会ったことを知っているのか?」
「ええ。話しましたわ。それで、どうなんです?」
硝樺は俺を睨みつけた。
「瑞穂と付き合ってからは我慢してる」
「否定しないのね」
硝樺は腕を組んだ。
「最低ですわ」
「…」
俺は俯いた。
「瑞穂と出会うまで恋人なんていなかったんだ。今はもう違うんだ。バカだった俺を許してくれ」
「…瑞穂さんの優しさに感謝しなさい」
そう言って去ってしまった。
(硝樺に会うと自分が惨めになる)
夜、今日の出来事を思い返した。
普通に考えても子供をよくない目で見るのは許されざる行為。過去は変えられないので、後悔しか残らない。
(瑞穂が優しすぎるんだよな…これじゃあ、優しさに甘えるばかりになりそうだ)
俺の甘い考えに硝樺が釘を刺してくれた。
(優しさに甘えず、誰かに言われなくても自分の失態に気づけるようにならないと)
そう俺は決心した。




